ペットロボットは在宅介護の手となりうるか?

介護疲れにならない心の持ち方
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介護保険が飽和状態で、乱立するサービス事業所はどこもかしこも人出不足。前にもまして、自宅で認知症の家族を介護する人が増えています。

仕事を引退した後なら時間の制約はないでしょうが、体力の限界が大きくなってしまいます。

とはいえ、一日中認知症状につき合っていたら介護者のほうがまいってしまいます。まして現役卒業後となれば、自分自身の人生も先が見えてきているわけで、そうそう親の介護に貴重な残りの時間を費やしたくはないもの。

現役の仕事を辞めてまで、愛する家族のために介護をしたいという人がどれほどいるでしょうか。というより、それはあまりお勧めの方法ではありません。

なぜなら、介護を受ける方にも大きな重荷を背負わせてしまうからです。親であれ配偶者であれ、自分のために愛する家族を犠牲にはしたくないと考えています。どんなに認知症が重度でも仮にどんなに憎まれ口を叩いていてもです。

愛する者にはいつも笑顔で元気で、好きなことをやってイキイキと輝いていてほしいと願っているものです。

そこで、今静かなブームのロボット系のペットを下記の観点から検証してみましたので参考にしていただければ幸いです。

認知症改善の観点

ペットロボットは、認知症の進行を遅らせたり、認知機能を刺激したりする効果が期待されています。

情動刺激

ペットロボットとの触れ合いが喜びや安心感をもたらし、ポジティブな感情を引き出し、脳の活性化を促すことが期待されます。

会話や行動の誘発

ペットロボットに話しかけたり、世話をしよう(触ろう)とする能動的な行為が、コミュニケーション能力や日常生活の意欲を引き出します。

ルーチンの形成

決まった時間に世話をしよう(触りたいなど)とするなどの行動が規則正しい生活のルーチンにつながり、時間間隔や注意力の維持を助けます。

利点と注意点

ペットロボットは通常のペットに比べて安全性が高いものですが、注意点も認識しておきましょう。

衛生面のリスク軽減の利点

実際の動物と違い、アレルギーや感染リスクの心配がありませんので心ゆくまでスキンシップを行うことができます。

怪我のリスク低減の利点

噛まれる、引っかかれるなどの実際の動物特有の怪我の心配がないため、安心して愛情を注ぐことができます。

依存の可能性に注意

高齢者が、ロボットに過度に依存し、他者との交流を減らすことのないように注意する必要があります。

技術的なトラブルに配慮

故障や誤作動が発生した場合、とくに認知症のかたは混乱を招く可能性があるため、サポートやフォロー体制に注意を払う必要があります。

生活の質(QOL)の向上の観点

ペットロボットは、認知症の老人の生活に様々なかたちで寄り添うことが可能なので、QOLを向上させるための大きな役割を果たします。

孤独感の軽減

特に独居の高齢者にとって、ペットロボットは大きな存在感を提供し、孤独感を和らげてくれます。

感覚刺激でストレス緩和

ペットロボットの感触は、感覚刺激を通じて不安やストレスの軽減に役立ちます。抱きあげた時のやさしい動きや音声は、リラクゼーション効果を図り幸福感をもたらしてくれるでしょう。

社会参加の促進

ペットロボットをむかえたことで話題がうまれ、家族や介護者との間で交流を増やすことにつながります。

以上のように、ペットロボットは、認知症に寄り添い心身のケアをサポートするツールとして非常に有用だということが分かります。

ただし、適切な選定と使用方法、介護者のフォローアップは不可欠です。

選定には好みの問題・金額の問題・メンテの問題を考慮しなければなりません。

そこで私は、セガ、猫ロボット・ラグドールを選びました。

実は、LAVOTを検討していたのですが、購入額がとても我が家では手が届かず、また購入後の毎月のメンテ料の義務付けも負担が大きく感じましたので、こちらを選ぶことにしました。

同時にソニーの犬型ロボット「アイボ」も検討下に入りました。なかなか良い動きをしてくれとてもかわいいのですが、見るからにロボット感が強く、どちらかというとぬいぐるみ的なものを希望していたため、以下に決定しました。ご参考になれば幸いです。 

セガトイズ ペットロボット「KIMIT(キミット)ラグドール」

以下、商品説明となります。

本物のネコのような手触りや行動が特徴
まず、注文して3日程度で届く速さに驚く。
しっかりした二重梱包で届けられる。開ける際のワクワク感は何とも言えない。

幅約620mm×高さ約210mm×奥行約220mm 重さ約900g

箱を開けると、ちんまりラグドールが収まっているのに思わずほっこり。抱き上げると、思ったより軽く少し物足りなさを感じる。
ただしこれは昔、大型の猫を飼っていたことがあり、その記憶の重さを期待してしまったからで、通常は問題ない感触だと思う。

まずは、充電!お腹の一部にマジックテープがありそこを開くとケーブルが差し込めるようになっている。操作は簡単。単純なものほど壊れにくいという思い込み。

2024年の猫の日(2月22日)に発売されたのだが、モーターを制御するICの不具合で発熱し、事故防止のため同4月に販売を中止し回収となった経緯がある。その後、製品の改良を行い安全性及び品質の確認を取ったうえで、2024年11月15日より販売の再開を行った。(KIMIT公式ページより)

事故にはつながっていないがすぐさま回収したところは誠意を感じる。再販後の売れ行きは上々とのこと。

電源をONにすると、なんだか猫らしくなり存在感を見せてくる。

しばらく待つと、目が青く輝いた。声や音に反応し、首の向きを変えたり瞬きを始める。時々瞳の中にハートマーク💛や星マーク🌟を見せてくれるのはお楽しみだ。

撫でてやると、首をかしげながら、可愛い声でないてくれるのだが、これがなんとも言えず優しいなき声なのだ。もともと、飼いたくても猫が飼えない人を対象に開発されたせいか、なく声が決して大きすぎず耳に障らず、夜中でも大丈夫と思えるくらいの甘えた声なのだ。

思わず「はいはい、どうしたの」と声をかけてしまうことまちがいなし。

また、じっと膝に乗せているだけで、首元あたりから心音のような鼓動が伝わってきて、本物感をだしてくる。ランダムにグルグル音まで出してくれるのは感動ものだ。

肉球はというとこれまたリアルに出来ていて感心しきり。触感はやはり本物には及ばず。しかしながら、吸いつき感と表面のプニプニ感にはとても頑張って迫っておりなかなかのものだ。

全体としてリアルで実態感がある。そのために期待感も大きくなってしまう。

タッチセンサーが3個、音センサーが1個内蔵されているそうだ。どこを触ればどんな反応をするのかに法則はなく、ポイントを探り当てる楽しみもあるのだとか。

あたま胸上部背中を撫でると嬉しい反応が返ってくる。抱っこしたり、膝の上で背中をなでたりしているときが、心臓の鼓動が伝わってくる確率が高いような気がする。

また機嫌が良いと尻尾をゆらゆら揺らしている。

何と言っても、購入後に費用がかからないところがうれしい。

毎月のメンテ費用も要らなければ専用の服を買う必要もない。

「商品開発にあたっては、中国・深圳のロボット工学テクノロジー企業であるElephant Robotics(エレファントロボティクス)社と協業し、本物のようなリアルさにこだわった」というだけあってしばらく抱いていると感情移入してしまう。

認知症老人に限らず、家族の一員に迎えてみるのも楽しいのでは。
デスクワークのあいだ膝にのせるとか、テレビを見ながら抱っこするだけで、いつもの日常が潤いに満ちたものになるのではないだろうか。


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